Wednesday, 9/7/2025 | 10:32 UTC+9
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今朝の一枚:黒いオルフェ〜エリゼッチ・カルドーゾ・ライブ

サンバ・カンソゥンの女王──今は亡きブラジル音楽の至宝、エリゼッチ・カルドーゾ。

彼女の名盤はすでに手元にあるのだが、あらためてその一枚を聴きながら、ふと「他のアナログ盤も聴いてみたい」と思い立ち、検索をしてみた。すると、思わず心が躍るような一枚に出会った。
なんと、それは彼女の来日公演を収録したライブ盤。1977年9月23日、東京・渋谷公会堂での録音で、マルチ・トラック方式による本格的なライブ記録だという。

「みなさん、こんにちは。エリゼッチ・カルドーゾです。」
そんな温かい自己紹介から始まるが、幕開けの一曲目から、まさに“本場のサンバ”が全開で押し寄せてくる。

情感あふれる歌声に思わず酔いしれるバラードもあり、彼女の深い表現力に心を奪われる。

当時は毎年のように来日していたらしい。
そういえば、昔は中南米のアーティストがよく日本に来ていたなぁ、と懐かしさがこみ上げる。

この日本でのライブ録音盤──なんと素晴らしい一枚だろう。
こんなお宝に出会えて、本当に幸せだと思う。

会場を包む拍手の温かさも印象的で、その音を聴くだけでも胸が熱くなる。

きっとこれから何度も、このアルバムに耳を傾けるだろう。

まだ大学生で、世界の音楽のことなんて何も知らなかったあの頃──
渋谷公会堂のあの客席へ、時空を超えて戻るような幸せに包まれた。

音楽とは、時をも超える魔力を持っているのだと、あらためて感じさせてくれる一枚だった。

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世界の音楽との「出会い」(自己紹介 noteへのリンク) 大阪のレコード店で出会ったインドネシアのダンスミュージック ダンドゥット(DANGDUT)の女王、エルフィ・スカエシ(Elvy Sukaesih)と言ってもまずは誰もわからないだろう。インドネシアの美空ひばりと言ってもピンとこないな、きっと。それに正しくもない。インドネシアは多様な民族の集まる国だから国民を代表する歌手はいない。ひとつの大衆音楽の女王である。 大袈裟だが、このレコードと出会わなかったら、自分の人生は変わっていただろうと思う。ただ、それはわからない。でも、出会うべくして出会ったのだろう。 https://note.com/jirorhythm/n/n936acb145d0e

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