「マドンナが出会ったカポ・ヴェルデの“バトゥーケ” — 女性のリズムが世界を揺らす瞬間」
2025年11月27日
行ったこともないのに、なぜか惹かれる国──カポ・ヴェルデ
行ったこともないのに、なぜかずっと気になっている国がある。カポ・ヴェルデだ。
昔、この国の音楽を集めたコンピレーション盤を出したことがある。
あの哀愁のある独特の響きに惹かれたのがきっかけだ。

リスボンには「カポ・ヴェルデの館」のような場所があって、現地の人たちが集まって食事をし、歌い、演奏する空間にも足を運んだ。
ダカールでは、カポ・ヴェルデの音楽だけが流れるクラブにも行ったことがある。
ただ最近、ふと思った。
自分の中でカポ・ヴェルデ=哀愁、ファドと共鳴する“暗めの音楽”というイメージが強すぎたのかもしれない。実はもっと生々しく、もっと肉体的で、もっと打楽器が中心の音楽があったことを思い出した。「Batuque(バトゥケ)」だ。
今はYouTubeで検索すれば、昔の映像が普通に出てくる。本当にすごい時代だ。そして先日、そのバトゥケが Madonna にまで影響を与えていたことを知った。
Madonna の「Batuka」とバトゥケとの出会い
2019年、Madonna はアルバム《Madame X》の中で「Batuka」という曲を発表した。これはポップ・ミュージックというより、カポ・ヴェルデの女性太鼓集団 Orquestra Batukadeiras と一緒に作った“共同宣言”のような曲だった。
バトゥケは、植民地時代に奴隷として海を渡ったアフリカ人の子孫たちが、女性を中心に歌と太鼓で守り続けてきた伝統だ。太鼓を禁じられても、歌い、叩き、踊ることをやめなかった。その歴史が音の中に残っている。
Madonna はリスボン滞在中に彼女たちの演奏を生で聴き、「こんな音楽は初めてだ」と衝撃を受けたという。そこから生まれたのが「Batuka」だ。
ワールドカップが近づいてきた。カポ・ヴェルデのことを思う。
ワールドカップが近づいてくると、「今年はどんな国が旋風を巻き起こすだろう」と考える。
次は、カポ・ヴェルデだろう。
予選では何度もジャイアント・キリングを演じてきた、西アフリカの人口約50万の小国。
その国が、ついに本選出場を決めた。
彼らがピッチに立つとき、スタジアムにはきっと「Batuque」のリズムが響く。
あの、女性たちの太鼓と手拍子と声が作り上げてきた力強いビートだ。
サッカーの躍動と、バトゥケの躍動。
この国の“勢い”は、もしかしたら女性のパワーが支えているのかもしれない。
もしそんなリズムがワールドカップの会場を揺らす日が来たら──
それだけで十分に胸が熱くなる。
音楽とスポーツが同じ方向に風を起こす瞬間。
その光景を勝手に想像してしまう。







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