ブラームス
交響曲 第1番 ハ短調 作品68
ブラームスがこの交響曲を完成させたのは、
43歳のときでした。
作曲の構想を抱いてから、
実に20年以上の歳月がかかっています。
理由はただひとつ。
ベートーヴェンの影があまりに大きかったから。
「第10のベートーヴェン」と呼ばれた交響曲
この交響曲は、初演当時から
「ベートーヴェンの第10交響曲」
と呼ばれました。
とくに終楽章の旋律は、
ベートーヴェンの《第九》を思わせる高揚感を持っています。
しかしブラームスは、
それを単なる模倣ではなく、
自分自身の声として乗り越えた。
なぜこの曲は「重く」聴こえるのか
第1番は:
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ハ短調という厳しい調性
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厳格な構造
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暗く沈んだ序奏
を持ち、
はじめて聴く人には
「重い」「難しい」と感じられることも多い。
しかしこの音楽は、
ひとりの人間が、伝統と格闘しながら、
自分の場所を切り開いていく過程
そのものなのです。
ブラームスの交響曲世界の出発点
この第1番がなければ、
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明るい第2番
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人間的な第3番
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厳しく深い第4番
も生まれなかった。
ブラームスの交響曲は、
この「重い一歩」から始まります。






