World Music|世界の音楽とことばのアーカイブ

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Monday, 19/1/2026 | 8:45 UTC+9

ラーガとターラが織りなす、時間と瞑想の音楽。
北インド古典から南インドのカルナティック、映画音楽まで、
インドの深く美しい音世界を、実体験と資料を交えて紹介します。

インド音楽に初めて深く触れたとき、
正直に言えば、すぐには「わかった」とは言えなかった。

旋律は長く、即興は終わらない。
拍子は見えにくく、盛り上がりも西洋音楽のようには来ない。
けれど、ある朝のことだった。

まだ街が目覚める前、
ゆっくりと流れるラーガを流していると、
その音楽が「音」ではなく
時間そのものをデザインしていることに気づいた。


ラーガは感情ではなく「時間」を表現する

インド古典音楽のラーガは、
単なる音階ではない。

  • 朝に演奏されるラーガ
  • 夕暮れのラーガ
  • 雨季のラーガ

それぞれに意味と空気がある。

これは、
音楽が人の感情を操作するためのものではなく、
人が自然の流れに身を委ねるための装置
であるという思想だ。

あなたが「夜明け」を大切にしてきた理由と、
インド音楽はどこかでつながっている。


南インドの音楽——理性と精神の極北

南インドのカルナティック音楽は、
より厳格で、より研ぎ澄まされている。

L.シャンカルのヴァイオリン、
U.シュリニバースのマンドリン。
そこには、
歌っていないのに“歌”としか言いようのない旋律がある。

アリア、カンタービレ。
言葉を持たない声。


映画音楽と宗教音楽が共存する国

インドでは、
寺院の音楽と映画音楽が同じ地平に存在している。

A.R.ラフマーンの音楽が
世界を驚かせたのも偶然ではない。

インドでは、
精神性と大衆性が対立しない。

それが、この国の音楽の懐の深さだ。