ハチャトゥリアンとスクリャービン
2026年5月2日
* アラム・ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲(1936)
* ソ連時代の代表作で、リズムが強くてエキゾチック * 民族色とジャズっぽさが混ざる独特のノリ
* カップリング: * アレクサンドル・スクリャービン * 左手のための前奏曲(Op.9-1) * 夜想曲(Op.9-2) * 練習曲「悲愴」(Op.8-12)
初めてこのレコードを聴いたのは、いつ頃だろうか。
一年前か。何気なく手に取った一枚だった。
最近、あらためて聴き直している。
きっかけは、キース・ジャレットの『ケルン・コンサート』の映画だった。
あれを観てから、何か心をざわつかせるものがある。
「即興」とは何か。
「音楽」とは何か。
「ジャズ」とは。
「クラシック」とは。
もっと根源的なところで、何かが揺れている。
このレコードに収められているのは、
アラム・ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲と、
アレクサンドル・スクリャービンのピアノ小品だ。
ハチャトゥリアンの音楽には、コーカサス(アルメニア)の舞曲的リズムが流れている。
民族音楽とクラシックの融合、と言ってしまえばそれまでだが、
実際に鳴っているのは、もっと肉体的な何かだ。エナジー。
演奏しているのはチェコの音楽家たち。
ピアノはアントニン・イェメリーク、
指揮はアロイス・クリマ、
オーケストラはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団。
この組み合わせもまた、どこか面白い。
このレコードを手に取った理由のひとつは、ジャケットだった。
ピアノ内部を図解したようなデザインに、赤・黄・青の幾何学。
だが、実際に流れてくる音は、整っていないように感じる。
ハチャトゥリアンのピアノは、打楽器のように鳴り、
スクリャービンの音は、時間の中に溶けていく。
それは書かれた音楽でありながら、
どこか即興の気配を帯びている。
ふと、キース・ジャレットの即興を思い出す。
クラシックとジャズの境界は?
ジャンル?
そんなことは忘れてもいいんじゃないか。
「音がそこにある」。


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